「船釣りって、なんだか敷居が高いなあ…」
「道具を揃えるのも大変そうだし、初心者じゃ釣れないんじゃない?」
「せっかくの休日に、家族や友人と楽しめる釣りがしたい!」
普段、会社員としてデスクに向かう僕にとって、週末の釣りは最高のリフレッシュ。でも、船釣りとなると、こんな風に少し躊躇してしまう気持ち、よく分かります。
しかし、先日体験した江の島・片瀬港からのアジ五目船ならだいじょうぶ。初心者でも簡単に、そして美味しい魚がたくせん釣れるし、せっかく釣りにいったのにがっかりなんてことはよっぽどないと思います。
今回は、江の島「ゆうせい丸」さんでのアジ五目船釣行です。相模湾で手ぶらでチャレンジできる船釣りについて書いてみました。
目次
まずは、今回の釣行の基本情報から。釣りの計画を立てる上で、海の状況を把握することは釣果を左右する非常に重要な要素です。備忘録としてもしっかり記録しておきます。
この日のコンディションは、潮の動き自体はそれほど大きくない若潮でしたが、特筆すべきは風がほとんどなく、海が非常に穏やかだったこと。船の揺れも少なく、まさに「釣り日和」。初心者の方や船酔いが心配な方にとっては、これ以上ないほど釣りやすい日だったと言えるでしょう。こういう穏やかな日は、釣りに集中できるので本当にありがたいです。

今回お世話になった江の島の「ゆうせい丸」さん。数ある釣船の中からここを選んだのですが、結果として大正解でした。特に船釣りが初めてという方にこそ、心からおすすめしたい船宿です。
「ゆうせい丸」さんのアジ五目船は、魚の群れを探して頻繁に移動するスタイルではありません。船長が選んだ実績のあるポイントに到着すると、アンカー(錨)を下ろして船を固定します。そして、そこからコマセ(魚を寄せるための撒き餌)を撒いて、魚の群れを船の下に寄せて釣るスタイルです。
これは初心者にとって非常に大きなメリット。ポイント移動が少ないので、焦ることなく自分のペースで仕掛けの準備や投入ができ、じっくりと釣りに集中できます。「早くしないと!」というプレッシャーがないのは、精神的にとても楽でした。
この日のポイントは水深が90m~110mと、かなり深い場所でした。僕は手巻きリールを持参したのですが、正直に言ってこの水深での手返し(仕掛けの回収と再投入)はかなりの重労働…。数回繰り返しただけで腕がパンパンになってしまいました。
そんな僕の様子を見かねた船長が、「大変だろうからこれ使いなよ!」と、なんと無料で電動リールを貸してくれたのです!この一言と心遣いには本当に救われました。電動リールの快適さはまさに天国。おかげで体力を消耗することなく、最後まで釣りを楽しむことができました。この優しさが「ゆうせい丸」さんの最大の魅力かもしれません。

船長の優しいサポートのおかげで、釣りに完全に集中できた僕を待っていたのは、まさに「爆釣」という言葉がふさわしい、夢のような時間でした。
船長の指示ダナ(魚がいる水深)に合わせてコマセを撒くと、すぐに竿先がブルブルッと震えます。上がってきたのは、金色に輝く美味しそうなマアジ。そこからが凄かった。アジ、そして強烈な引きで楽しませてくれるサバが、まさに入れ食い状態に。
仕掛けを落とせばすぐにアタリがある、そんなお祭り騒ぎが続きます。時には群れで回遊してきたカツオまで掛かり、船上は一気にヒートアップ。終わってみれば、持参したクーラーボックスはアジやサバで満タン。家族や友人に配っても十分すぎるほどの、大満足の釣果となりました。
入れ食いが続く中、船長から「活性が高いから、試しにエサ付けないで針だけでも落としてみなよ」と驚きのアドバイスが(笑)。半信半疑で、エサの「赤タン」を付けずに空の針を落としてみると…なんと、本当にアジが釣れたのです!これには思わず笑ってしまいました。コマセに興奮した魚たちが、キラッと光る針に思わず食いついてくるようです。エサやルアーの存在意義を考えさせられる、貴重で面白い体験でした。それほど相模湾の魚影が濃く、船長のポイント選びとコマセワークが的確だということの証明ですね。

今回楽しんだ「アジ五目船」について、少し詳しく解説しておきます。ターゲットの魚と、今回大活躍したエサについて知っておくと、より釣りが楽しくなりますよ。
アジ(マアジ)は、日本人にとって最も馴染み深い魚の一つ。スーパーでもよく見かけますが、釣りたてのアジの味はまさに別格です。彼らは基本的に群れで行動し、プランクトンや小型の甲殻類を食べています。そのため、オキアミなどを主成分とする「コマセ」を撒いて群れを足止めし、コマセの中に紛れ込ませた付けエサ(食わせエサ)に食いつかせる、というのがアジ釣りの基本戦略になります。回遊性が高いため、いかに船の下に群れを留めておけるかが釣果の鍵を握るのです。
今回、付けエサとして使用したのが「赤タン」です。これは、イカの身を食紅で赤く染め、サイコロ状にカットしたもの。その特徴は以下の通りです。
このエサ持ちの良さのおかげで、手返し良く次々と魚を釣ることができました。初心者の方には特におすすめのエサです。
これから船釣りに挑戦する方へ。難しい準備は不要ですが、これだけは押さえておくと、より快適に釣りを楽しめます。最も重要なのは安全対策と熱中症対策です。ライフジャケットは船宿で借りられますが、必ず着用しましょう。また、日差しを遮る帽子、照り返しから目を守る偏光サングラスは必須です。飲み物は多めに持参し、こまめな水分補給を心がけてください。汚れても良い服装と、滑りにくい長靴やサンダルで行くのがおすすめです。船酔いが心配な方は、前日はしっかり睡眠を取り、乗船30分~1時間前に酔い止め薬を飲んでおくと安心ですよ。
今回の江の島「ゆうせい丸」さんでのアジ五目船釣行は、僕の釣り人生の中でも忘れられない、最高の思い出の一つとなりました。優しい船長、簡単な釣り方、そして信じられないほどの釣果。船釣りのイメージが「難しい」から「最高に楽しい!」に変わった一日でした。
自分で釣った新鮮なアジやサバは、刺身や塩焼き、アジフライにして家族にも大好評。釣る楽しみと食べる楽しみ、その両方を満喫できるのが船釣りの醍醐味だと改めて実感しました。
もし、船釣りに一歩踏み出せないでいるなら、ぜひ江の島「ゆうせい丸」さんを訪ねてみてください。きっと、最高の体験が待っているはずです。僕も、次はもっと大きなクーラーボックスを持って、またあの爆釣を味わいに行きたいと思います!